享 苦
楽 難
か か
ら ら
は は
失 学
う ぶ
こ こ
と と
が が
多 多
い く
【解説】
「売り家と唐様で書く三代目」
という川柳があります。
売り札の「売り家」という文字が、
道楽で覚えた中国風の
しゃれた書体だった、というものです。
つまり、初代が苦労を重ね、
辛酸をなめながら財を築き上げた資産家も、
三代目ともなると、苦労を避け、
贅沢に慣れて道楽にふけることが多く、
財産を使い果たして、ついには
家屋敷まで手放すはめにもなる、という戒めです。
人生において、人それぞれに苦難は付き物です。
そして、苦難に遭遇したときは、
それらを克服するために
全力を尽くして事に当たらなければなりません。
その努力精進を続けるうちに、
さまざまな人生の機微を学び取り、
そこで得たものが身について、人は向上していくのです。
苦難を嫌がり、
享楽にふけり、
安逸と怠惰の生活に慣れてしまうと、
そこから学び取るものは何もなく、
それどころか、活力も向上心も失って、
虚しく愚かな人生を歩むことになると気付いて欲しいものです。